あっという間だ

mxoxnxixcxa2012-05-10

 前回のブログから早3ヶ月…早い…うわあどんどん年を重ねるよ恐いなあ。
 妹の命日をなんとなく過ごしたけれど、今日は私はまだあの子が死んだことを知らなかった日。早いなあもう2年。この2年あっという間だった。けれど、本当にとても長かった。そんな矛盾した感じだ。
 昔はもっと2年って、とても長くて濃かった。ぼんやりしていていたら、あれもう1ヵ月経っているよ!なんてことは絶対になかった。思春期の頃、何をしていても常にいつも「早く終わんないかなあ」なんて思っていたのは、どうしようもなく贅沢なことだったんだと今になってとても懐かしく思う。古都にはいつも中学生らしき修学旅行生がうろうろしている。私も京都・奈良に来たなあって思いを馳せて驚くのは、あれから倍より生きてるんだってこと。なんて早いのー!
 思春期になんて絶対に戻りたくないって思ってきた。何にも満足できなくて何ひとつ上手くいかなくて、自分が嫌で周りはもっと嫌で、親も嫌いで学校も嫌いで、友達サークルで笑っていることも本当は嫌いで、自分のことは一番嫌いだった。だから誰よりも着飾ってスリムになってモテて、「何かイイモノ」になろうと必死だった。早く大人になって楽に自由になりたかったけれど、大人になるのが恐くて嫌だった。
 友達もいたし彼氏もいたけれど、あの頃の友達や彼らが今どうなっているのか何も知らない。膨らんだ自意識で、人に笑われているような気がして恐かったからギャルぶってみた。だけど本当はみんな同じだったのかもしれないと今は思う。みんな寂しがり屋ばかりで、たぶん色んなことが恐かったんだ。あれこれ盛り沢山で、そうしてどうしようもなく空っぽな思春期を過ごしたなって思う。あれから友人の多くは水商売に流れて行ったけれど、たまたま私は違う道へ進んでここへきた。あの子たちは今幸せになっただろうか。
 でもたぶん、大人になってしばらくしてから思い出す10代なんて、みんな同じ様なものなんだろう。部活に明け暮れようと、退廃的な帰宅部を過ごしていようと、過ぎ去ってしまったものは痛みを忘れた頃にはみんな愛おしくなってしまう。そんな鈍さを10代の私は心底軽蔑していたというのに。
 あの頃あんなに大嫌いだった自分を、今では青臭くて不器用な若さとして、とても懐かしく愛おしく思える。暗黒の10代の自分が今の私と出会ったら、その子は軽蔑を押しこんだ顔で、ちらっと一瞥をくれるだろうか。馬鹿にしているのを出さないように飲み込んだ愛想笑いを浮かべるだろうか。そんな青さを撫でまわしてあげたい。戻りたいとは全く思わない。でもあの感覚が時々懐かしくてたまらなくて、それでどうしようもなく愛おしく思う。絶対に戻りたくないけれど、このままの意識を持って取り戻せたら、私はもっとうまくやれるだろうか。
 …やだなあ年とったってことね。こうやって人間って失くしていく。忘れて行くわけじゃない。薄れて失くしていくんだ。だって生々しい感覚を思い出せないんだもん。でもどっちだろうわからない。忘れたのか失くしたのか、いずれにしてもそれは悪いことではないんだって信じたい。信じたいの。