相変わらずの日々

mxoxnxixcxa2007-09-15

 今月の歌舞伎座に行きたい。どうしてもどうしても行きたいどうしても幕見でいいから。いけるのかしら私は時間が作れるのかしら。きっと、それはとても難しい。きっと、無理。ああ。嗚呼。
 この3ヶ月で、もなかを更新したのは今日を入れて6回?うわあ光陰矢のごとし?ええ?今月頭、毎日梅田に京都くんだりから通っていて、終電で左京区へと帰りつき、疲れ果てて寝付く日々が終わったと思ったら、もう9月も折り返し。この時間の経つ早さときたら、年々速度を増してゆくんだからびっくりしてしまう。
 梅田では馬面男32歳が世界拷問史について語っているので付き合ってやり、エリザベート・バートリや青びげ男爵、ギロチンとルイ16世なんかについて、もう一人の女子(自称M)とともに語らっていたら、やけに絡んできたがるウマヅラに、アブちゃん(アブノーマル)というなめ腐った呼び名をつけられ。
 それでも、「やめてくださいよー、名前で呼ばなきゃ放置プレイしますよ」と、クールに笑顔を浮かべて頑張る。ここ一番の笑顔で。帰れこのウマヅラ。こっち見るなと思いながらスマイル。私は大人になったのだ。このクソだるいウマシカ男は、ただ単にかまって欲しいのだろう?
 調子にのった馬は、「だってもう、その目は完全にS以外の何者でもないやん」とさらに調子付く。「よく分かりましたねー調子にのるとお仕置きしますよ」と微笑む。ついでに、見知らぬサラリーマンに唐突に虐めて欲しいと頼まれた話もして差し上げた。こういう話が聞きたかったんだろう?「もうやだこのキャラやめましょうよー」と、どうでもいいやと思いながら言えば、思ったとおり彼は嬉しそうに「しゃあないやんー」と。ああ心底しんどい男だ。
 こんな調子で毎日、彼は何かにつけてアブちゃんを見ればSっ気に絡めてこようとする、ウザいかまってオーラを垂れ流していた。その他の女子もまた、それぞれが馬によってだるい思いをしていた。なので女子たちは彼のいない時にその似顔絵大会を開催し、めでたくも私がグランプリをいただいたんである。
社会性って大事よ、もにか」って脳内小人が囁く。わかってる。分かっているから、笑顔という名の無表情を貼り付けて、当たり障り無くしかし適度に話にのって、相手の欲しい言葉を投げてゆくよ。
 その後ウマヅラはSMバーに行った時の話をしてくださった。私はにっこり笑って、「もうどん引きですよー」と。ウマヅラは、「いや先輩に連れて行かれたから」と。興味ねえよユーの性癖なんて。しかし微笑を絶やさず、「それ以後、病みつきなんじゃないんですかー?」と。「違うよー」と馬は嬉しそうに。ああだるい。トータル1週間ほど、彼は私をアブちゃんと呼び続けて、へらへら笑っていた。かまってオーラを発しながら。こいつがモテない理由が良く分かる。顔以外にだって問題はある。
 この複雑怪奇な浮世を渡る処世術。むかつく人間相手でも、失礼があったり気分を害されたりしては、私だけの問題ではなくなってしまう。頑なにならずに、営業スマイルでGO。対人における笑顔は最大の防御にして武器。世の中、相手の欲しがってる言葉を返してあげるのが円滑にいくポイント。ストレスは適当に流して空中霧散出来るようになればベスト。と己に言い聞かせる私はいつの間にか、多少なりとも大人になっていたんだった。