すごく好きだわファッション美術館

mxoxnxixcxa2006-12-09

 神戸っ子の友人と、神戸ファッション美術館「更紗とプリントドレス展」へ。ここは本当にいいよ、是非に行くといいよ、なんといっても常設が良いんだようと、話にはよくよく聞いていたんだけれど、神戸の土地勘が全くなく、京都くんだりから出向いてゆくというのも、持ち前の面倒臭がり精神がついつい頭をもたげてしまっていたんである。で、ちょうど兵庫県立美術館で「エコール・ド・パリ展」もやっているからというのもあって、神戸人に案内してもらった。
 声を大にして言いたいの。あまねく関西在住の乙女は、ファッション美術館へ行くべき。誰の建築なのか知らないけども、金色のU.F.Oみたいな妙ないでたちですが、ここは本当に素敵スポット。
 まず私は、過剰な装飾や過度の拘束と無駄に膨らんだスカート、たっぷりとしたドレープやレースといった衣服に、くらくらするくらいときめく、つまりは仏貴族の最後の輝きたるロココを映し出すローブ・ア・ラ・フランセーズフェチなんだってことを言い置いて、ここの常設であるドレスの歴史とコレクションはもう、もう、たまらん胸きゅん空間だった。コルセット… 素敵!
 ここはまず、18c〜19cの代表的なスタイルのドレスをいくつか再現していて、白手袋をはめれば自由に触っていいので、ほう、ほほう、と興奮。そうして、あらゆる染織品の数々を眺めつつ、この組織はどうなっていて、こいつの技法はどうだろね、こいつはすげえと大興奮。で、ローブ・ア・ラ・フランセーズからエンパイアスタイル、バッスルスタイルを経て20世紀のファッションに流れ込んでいく展示を眺めて、この美術館オリジナルの、各時代のスタイルの変容を映像にした非常に面白いビデオを鑑賞し、更紗とプリントドレスを眺めた。
 この美術館のもうひとつの魅力は図書館で、私は神戸人でないことを心から悔やんだんだった。兎にも角にも、西洋服飾史は時の為政者と社会情勢に沿うようにそのスタイルを変えていくわけで、それ本当に面白いと思う。フランス革命以後、ロココの華美な装飾性を否定することで、ゆったりしたハイウエストのエンパイアスタイルが誕生し、王政復古→第二次帝政の流れに沿うようにしてコルセットが復活したり、クリノリンが活躍したりと大変遷。あらゆる歴史の変遷は全て連動して移り変わっていくんだと思うと、歴史って本当に面白いよう。