妹と大阪体験②

mxoxnxixcxa2006-09-09

 通天閣を楽しんで、新世界界隈も歩いたし、じゃんじゃん横丁を抜けて動物園前という駅に着き、まだなんばに戻らなくてもいいよねと思ったので、その先をさらに南下したのは、本当に間違ってた。本当に本当に間違っていたと思う。
 通りの向こうにはまだ商店街と思しきアーケードが続いていて、じゃんじゃん横丁でなんとなくしんみりしかけていたので、あの先はもっと栄えているに違いないと思い込んで、ずんずん進んでいきました。
 ここは、本当に、とても恐かった。
 進んでも、行くほどに横道に抜けていけそうな感じがしないので、そのまま進んでいったのですが、まずこの通りには未来のない空気が漂っていて、数多くの初老の男性がラフというか、ぶっちゃけだらしない格好でカップ酒を片手に歩いていて、物価が進むほどに安くなってゆく。うどん1杯120円まで下がっていき、自動販売機の値段まで安くなってゆく。通りの人々はみな、私たちをじろじろと眺めてくる。
 しかも、私たちのような若いねえちゃんどころか若い男性も、さらには女性の姿もあまりなく、みな疲れ果てたような初老の男性たち。早く早くこのゾーンを抜けようと足早に進むも、横道はあまりに細く、ここを曲がったら絶対に迷い込むどころか、下手に入り込んではいけないという町並みが見えていて、ここは本当に日本なんだろうか、私たちは知らない者の愚かさで、来てはいけない地域に入り込んでいるに違いないが、引き戻すのも恐いし、早く抜け出たい一身でがんがん進むも、息が苦しくて早くお外に出たいよ。と口に出すわけにも行かず、無言で口元だけ微笑を浮かべながら涼しい顔で歩きましたが、超こわかった。ほんとうに恐かった。馬鹿だった。とても愚かだったと思い知ったよ。
 商店街らしきこの通りでは、あちこちの露天でホルモンを煮ていて、その匂いに疲労がかぶさり、すごく参ってとにかく外に出たく思って、道らしい道で右折。しかしその先もアーケード。抜けた!と思ってやっと出た住宅街に唖然としました。ここはきっと、住んでいる人しか立ち入らない場所なのだと思う。私たちは関西で義務教育を受けていないので、大学にはいったりして、ようやく地域の問題というものの存在を知ったりするわけですが、ここがそういった地域に該当するのかどうかは知りません。しかしショックでした。こんな場所が日本にあるなんて。ディープ過ぎる大阪。
 ものすごく雑然とした町並みに、何をするでもなく歩いている初老の男性たちに、何か車椅子の人も何人か見かけ、超高速早歩きで動物園前駅を目指す私たちに、道端でたむろしているおじさんが、「べっぴんさんが2人通るでーどこいくんや」と。とりあえず笑って通り過ぎるも、ごめんなさい、もしかしたらこれは大阪の人情とか、下町の温かさとかで、私が勝手に恐がっていていただけなのかも。このへんは文化ギャップなのかもしれませんが、もうもう、本当に恐かった。
 なんばに戻って、楽しく乾杯しながらお好み焼きを美味しく頂いて、夜のアメリカ村を散歩して妹は東京へ、私は京都への帰路に。大阪はとにかく独特の街。多分私たちが覗かなくていいところへ勝手に紛れ込んだだけで、大阪は本当に驚くほど物価が安くて、買い物を楽しもうと思ったらどこまでも楽しめる感じ。なんばの道具屋筋の近くにある、「たこやきくん」というたこ焼き屋は、なにか有名なお店らしくて並んでみたんですが、ここは本当にめちゃくちゃ美味しかったです。
 私の知人の大阪人はみな、「キタとミナミを一緒にせんといて」というキタ人。しかし、大阪での体験をうかつに口にも出来ないし、とにかく道頓堀が楽しかった、美味しかったにとどめておこうと思います。あそこはきっと、ニューヨークで言うハーレムなんじゃないかと思いますが、どうなんでしょう。深いことは知りたくないのでそんな感じに思っておきます。
 学んだことは、日本であれ観光地に赴くときには、ガイドブックにない地域には行くべきでないということですかね。京都のように、散歩を気軽に楽しもうと思っても間違い。しかし大阪は、都会のど真ん中でも歩道がガムのあとだらけで、大阪人が言っていたように、綺麗ではなかったです。東南アジア好きの妹は、そのへんに反応していました。強力な魅力を放つ大阪。お好み焼きは、特別美味しい食べ物ではないと思っていたのを、心から反省しました。また行きたいです。楽しかったよ。