あちらこちらへ

mxoxnxixcxa2006-08-25

 今月の頭に金沢に行って、お盆は実家で伸びて、その後も所用であちこち。昨夜ようやく本当に腰を落ち着かせたんですけども、先々で美術館に足を運ぶことができたのは嬉しいことだった。展覧会大小様々10程は行けたと思われますが、まず、ずっと行ってみたかった金沢21世紀美術館は、建物自体もガラスの迷路のよう。
 まずここの美術館では、私が行った頃は全国の染織のある美術系大学・専門学校などの教員を中心とした「テキスタイルの未来形展」がやっていて、なかなかテキスタイル作品だけをまとまった数で見られる機会もないわけで見ごたえがありつつ、今現在も開催中の「ゲント現代美術館コレクション展」は面白かった。金沢ではルオー展もやっていて、出光所蔵の連作「受難」が一挙に並べられ、「ミセレーレ」シリーズも。ルオーは素晴らしいですなぁ…という8月上半期のトップが金沢。
 そうして下半期の収穫は名古屋のボストン美術館で、「肉筆浮世絵展・江戸の誘惑」というのがやっているよということなのでついでに行ってみたらばもう、こいつは名古屋っ子は行くべき。保存状態の良さもさることながら、有名無名入り混じった展示を眺めていると、何故に北斎が天才なのか、どうして歌麿は美しいのかとか、そういったことをまじまじと感ぜられるんである。もう、絵の放つ存在感というか説得力というかがケタ違い。
 刷り物でなく巨匠の肉筆画ともなると、すごいや値段が付かないよね、と考えつつ、これらの作品の所蔵は日本にあらず。浮世絵?だせー古くせーこれからは西洋の油でしょと、ニポン人が価値を見出さずに投げ打っていたのを、欧州が愛して収集してくれ印象派やらアール・ヌーボーやらに変華させてくださり、メリケンが持ち帰って後生大事に保管してくだすったおかげで、こうやって現代のジャパニーズの目にも触れることが出来るのですね。