わああ澁澤先生が!

 動いてる!しゃしゃしゃべっている!ひゃああ、どうしよう如何しようすごいよう。「あらゆる目的性を剥ぎ取られた物体は、丁度原始人の崇拝するフェティッシュのように、その空っぽになった内部に、みるみるエロスを充電する」 なんて美しい文章なんだろう。しびれるかっこいい端整で怜悧だ。
 http://www.youtube.com/watch?v=ziyXNddgyhE

四谷シモン澁澤龍彦邸をご案内の巻。有名な澁澤の書斎と小宇宙空間
 http://www.youtube.com/watch?v=wpfNS0Tk2ws

澁澤チルドレン・シモン、澁澤を語る。
 http://www.youtube.com/watch?v=e8Mg0GQPunQ

澁澤チルドレン・金子国義も語る。
 http://www.youtube.com/watch?v=IakQsm11EvU&NR

 澁澤先生って、いたんだ!本当に存在してたんだ!みたいな。ちょっと筆舌に尽くせぬ感動に浸っています。私が澁澤に出会ったとき、もうすでに亡き人であったわけで、もう私にとって澁澤龍彦は歴史上の偉人というか、その世界に出会った頃から澁澤という記号と化していて、だからこそ、もうあのサングラスのモノクロ写真は、いってみればイイクニツクロウの人とかと同レベルで、遠い偉人だったわけです。
「澁澤と私」については思い入れが非常に深いので、勢い一発でキーボードを打ちまくる私には上手く語るに語れません。澁澤の好きなもの=私も好きなものくらいに、10代の乙女であった私の価値観を決定付けたというか、もう、すきなの。ファンなの。理屈じゃないの。
人形作家 (講談社現代新書) シモンがどれだけ澁澤の影響を受けていたかと、日本の球体関節人形の第一人者の人が、「澁澤さんあってこそ、今の僕がいる」と言い切るのを其処ここで読みましたが、この人が言うからこそ、その言葉の重みがずっしりくる。澁澤がこの世を去った後、しばらく真っ白になってしまったというシモンがようやく作り上げた、「澁澤龍彦へ」という天使の作品は、道しるべを失ったシモンの大きな喪失感と、これまでの感謝と、別れの悲しみと、それでも人形を作っていくという決意を背負っているようで、言葉にならない感動がある。
エロティシズム (中公文庫)エロティシズム (上) (河出文庫)エロティシズム (下) (河出文庫) 物体と貸した肉体への偏愛精神は、文章を通じて私のようなしがない乙女一匹をも魅了してしまうくらいに素晴らしいの。興味ねえようという人も、クーラーのきいたお部屋で読んだらいいです。

人形愛/四谷シモン公式サイト  http://www.simon-yotsuya.net/