「存在の耐えられない軽さ」ミラン・クンデラ

存在の耐えられない軽さ (集英社文庫) メビウスの輪と言ったれば、永劫回帰と響いてくる。この本もまた青い私の頭を鈍器で殴った一冊。
 ニーチェの説を超マイナスで捕らえて再構築し、ちっぽけな存在の虚しさに切り込んだいうと語弊があるんだと思います。超遊び人の医者と、田舎者のおぼこい娘との愛の悲喜こもごもに、奔放な画家が絡み合った恋愛モノというととてつもなく下らないものに思われますが、愛とは何か、人とは何か、人生とは何であるのかという疑問を投げつける、深く重量感のある一冊。美しい言い回しも随所に出てきて、忘れた頃に何度も何度も読みたいの。読むたびに新しいものがある。この2冊とあと文庫本を何かもってちょっといってきます。