そうよねアイドル

　そんなこんなですっかりもう、ホンマモノの京都人の前では決して使われへんエセ京都弁かぶれして懐かしくもなかを開けば。
　フィギュアだけが楽しかったオリンピックももう終わり。2週間もネットから離れていると、すっかり浦島気分。プルシェンコの一人早送りにうなり、アイスダンスのロシアカップルにうっとりし、女子フィギュア。
　9位と予想した私は優しかったのだと思うんやわ。前日に、フィギュア好きの両親と電話なんかしたんですけども、4回転は飛んでこけて11位と母。4回転は飛ばない上に転んで13位と父。みな甘かったわ。あんた、骨折さえ直れば絶好調て言うたやないの！
　けれどこれもそれもあれもみんなもう終わった話なんだと思うけれども、これだけは言いたいの。ショートプログラムの全身黒の「ざ・NINJA」みたような衣装を見た知人は、「どこぞの美大か、服飾専門校の卒業制作かと思たわ、あほらし。そこで寝てもうたわ」と。したればワダエミ。フリーも色がかなり可笑しい。ミキティがすんごいころっと見えたのは、衣装の所為かしら。私の周りが意地悪な所為かしら。わからへんの。しかも4回転どころか、転びまくりやないの。私は解説の佐藤有香さんの、やんわりと的確で鋭くビッチなぶった斬りにめろめろやった。
　しかしフリーの時、私は名古屋にいて、ああ地元となればさすがに違うなあと実感したのは、結果が出る前に印刷されたであろう朝刊の番組欄にも何にも、「飛ぶかミキティ」とか「ミキティ結果は？」とかミキティ一色。街の声と称して流される人々の映像も、「よくやったと思いますう」「感動をありがとう！」とこれまた冷えることを口々に。
　すっかりわからなくなりました。私の周りは特に性格がひん曲がっているのか意地悪なのか、ミキティを良く言う人が見当たらず、それどころか彼女の言動全てに突込みが入ったりもする。「わたしわぁ、えがおをぉ」と、ひらがなのお喋りを真似っ子してしまう。私とて同じこと。なんだ、ビッチだらけやないの！いややわあ。テレビの中の声と、この温度差は何なのだろう。しかし荒川静香のイナバウアーにはちょっとぐっときたりと、私のオリンピックが終わりました全くのりきれぬままに。