え…

歌舞伎役者・市川團十郎が再入院。半年休養をとって治療へ。
 白血病はすなわち血液の癌な訳で、癌というと「5年生存率」という言葉があって、去年治療して今年再発は、なんだか早いな…という印象。市川家は当代團十郎のパパも癌で早く亡くなっていた気がする。59歳。癌でいくと若手な訳で、進行も老人に比べて早い。治療の成功をお祈りします。
 この5月に大好きで尊敬していた人が癌でいなくなってしまった。あと3ヶ月から半年といわれた第4ステージだったけれど、その人は結局1年9ヶ月、もったのか、がんばったのか、戦ったのか、苦しんだのか、どんな言い方が当てはまるのかわからない。「もうちょっと長生きすると思ったのになぁ」という言葉を聞いたときは、強引に笑って「大丈夫だよ」と無責任な虚しいことを言ったけれど、部屋を出たら涙が出た。でも多分私よりもYさんの方がもっと悲しかったはずで、私は泣くべきじゃなかった。
 その間に癌について読み漁ったお陰で、随分この病について詳しくなった。自分の細胞がある日とつぜん変態するんだよ。意思に反して体が勝手に自殺を選ぶみたいで意味が分からない。米国癌センターの最新研究結果まで調べたのに、結局私が使えない知識を増やしただけで、Yさんは死んでしまった。みんなYさんが大好きだったのに。癌という言葉のインパクトに、いつになっても慣れない。