高級な集い

 福助公式に、後援会主催でのディナー付きトークショーのお知らせを見る。会員以外でも参加OK!皆様どんどん来たらいいよみたいなことでも、そんなハイソサエティな会合、恐い。「和楽」にも、和楽贔屓の会で「『桜姫』観劇と、主演の中村福助丈を囲む会」の案内。観劇後に「福様ご本人を囲む」そう。
 とてもじゃないけれど、私のような若造の行く場ではなかろう。恐れ多すぎて行きたいとも思えない。透明人間になってその場を観察したい。それゆえ、ここはひとつ想像で思い切り楽しんでみようと思う。
 歌舞伎役者のご贔屓って、どんな方々?結構皆様でお着物の高級感を競い合っていたりするのかしら。「あら、その訪問着、素敵ですわね」とか言いながら、袖にちょこっと触れてみて素材を確認。「ふふ。大した生地じゃないわね」とか心の中でほくそえむ。そこはもう、水面下の女のバトル。福様に顔を覚えていただきたいわ。少しでも個人的にお話したいわ。そうやって、皆様何か福様に差し上げたりするの?福沢諭吉さんを100人とかお包みしたりするの?全て空想の世界。小さき市井の人である私には一生関係ないのだもの。
 宝塚ファンの話を聞いたことがある。何か、入り待ちとか出待ちとかして高級なプレゼントとかするって。花束の中に札束を入れるって。ジャニーズのタレントにロレックスとかあげるって。自分を覚えていただくために。ああ。私には一生、一人の有名人に身も心も財産も投げ打つとはできないと思う。まず物理的に貧乏な庶民。性格的にも気が多いし面倒臭がり。出待ちをする情熱がない。だめですわ。