この人も自ら

mxoxnxixcxa2005-02-24

 ハンター・S・トンプソン(67)が自宅で拳銃で頭を打ったということ。数日考えこんでしまった。
 ゴンゾジャーナリズム(無頼派)の旗手。彼を語る言葉が、「ラスベガスをやっつけろ」が代表作の70年代のサブカル・セレブ。四半世紀を経て代表作が映画化されて、多くの取り巻きやスターにも尊敬されて愛されて、今でも結構USA内で発言力というか、存在感は多少あったのではないのだろうか。決して時代に忘れ去られた人ではなかったはず。対ブッシュ攻勢に関しては、マイケル・ムーアに先を越された感があるとは言われていたけれども。
 客観的報道を否定し、取材対象を主語と俗語を用いて小説的な手法で斬っていくスタイルは、それ以後のジャーナリズムに多大な影響を残している。他人の心なんて誰にも分からないのだ。切ないよ。
 でも正直、どんな人であれ自殺はずるい。私だってベッドから出れないなと思うときや気分が悪い時など、もう死んだ方がましと思う。生まれなきゃそもそも楽だよな、なんて誰でも思ってる。まして拳銃。羨ましいほどお手軽だ。日本人など、首をつったり電車に飛び込んだり飛び降りたり練炭を炊いたり首を切ったりガスを吸い込んだりと色々手間がかかり、準備に奔走するうちに面倒臭くなったりしそうなのに、自宅で一発ポン。
 それでも人が自らの手で人生を終わらせてしまうのは悲しい。結局殆どの人は特に、さあもう死んじゃうぞ!というきっかけもないから、なんとなくむなしいなやりきれないなくさくさするなと思いながら、しぶしぶ生きるしかない。
 でもたぶんそれが正しい。