「ラスベガスをやっつけろ」

ラスベガスをやっつけろ [DVD] 数多いドラッグムービーは大抵内容はなし。この映画もそう。最初から最後までキメっぱなし。この映画もそう。「トレインスポッティング」なんかは、これはもう別格の出来。ドラッグはモチーフのひとつとして使ったのだから、厚みはそりゃ違う。
 一方この映画は、画面に向かって、うわ汚ったねえ。とか言いながら、色とりどりの映像を楽しむうちに終わってしまう。でも主演2人のトンプソンに対する忠誠心というか何といおうか、そのような思い入れはびしびし感じる。しかしそれだけ。ベニシオ・デル・トロが数週間で10キロとか20キロとか、デ・ニーロ並みの増量をがんばってもそれほど大きく評価されなかったのは、ひとえに映画の問題。でも嫌いじゃない。
 目で妊娠させる男ベノ。と呼ばれたデル・トロもこの映画ではデブ・トロ。ジョニー・デップもいい感じの禿げ頭。結局最後まで黄色いサングラスは取ってくれなかった。この映画に社会的側面はナッシング。最初から最後までキメキメでGO!でもでも、カメレオン俳優2人が非常に楽しそう。