ドナ様
私がどれほどドナルド・サザーランドが好きかというと、それはもう上手く言えなくてさめざめと泣いてしまう。何かこう、とにかく欧州的な品の良さがそこはかとなく漂うセクシーさ。カナダ人ですが。冷酷かつ貴族的な悪党面。出演作を通観して感じる、ちゃらんぽらんな俳優人生。笑えば笑うほどに、悪くてエロそうに見えるそのギョロ眼。眼力。そして実の息子キーファー・サザーランドの本名は、ファーストネームが6つも連なるという混迷っぷり。その理由も、金を借りていた全員に「息子が出来たら、あんたの名前をつけるよ」との口約束があったからとか。なんて適当。なんていい加減。そうして律儀だ約束を守る男。なんて素敵なの!その存在そのものが激しく揺さぶる。
しかもドナ様は、徹底して仕事を選ばない。演技派でしかいきたくないとか、性格俳優だから名作にしか出たくないとか、そんな姿勢は微塵も見せない。映画に出ること自体を楽しんでいるかのように、堂々とB級ものにも出る。山ほど出る。すてき。存在感ある名バイプレイヤーだけど、主演級作品はすごいものぞろい。「普通の人々」なんか、すばらしい好演だと思う。好きな映画は沢山。とても語りつくせない。
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