カラカラ浴場 Le Terme di Caracalla

mxoxnxixcxa2011-01-27

(羅馬・伊太利亜

祗園精舎の鐘の声、 諸行無常の響きあり。 娑羅双樹の花の色、 盛者必衰の理をあらはす。 おごれる人も久しからず、 唯春の夜の夢のごとし。 たけき者も遂にはほろびぬ、 偏に風の前の塵に同じ。

平家物語

 私が行った日は晴れていて人がほとんどいなくて、のんびりと夢の残骸を眺めながら大きな流れみたいなものについて思いを馳せてみたりしていました。
 中学の頃とかに暗記させられたこの冒頭文がどっしりと胸に来た。芭蕉の 「夏草や兵どもが夢の跡」 にも似たこの感じ。静かできらきらしていて、ひっそりと穏やかなのにもの悲しくて、どこか茫洋とした感覚。白昼夢みたいな眺めを前にして感じる言葉に置き換えがたいこの静かな胸騒ぎみたいな感じ。
 優れた言葉ってすごい。この一文のずしんとくる感じ。14,5歳の頃には気付かなかった。