妹とは関係ない、私自身の諸々の事務的な作業やら制作やら何やらを、ひたすらに片付けた。だから切羽詰まると私は徹夜しようがなにしようが何とかできる女なんだった。この泥縄体質。いつかもっと立派な大人になりたい。

 父に毎晩電話するなんて今までにはなかったことだが、毎日穏やかに笑っているのが心配なので電話している。父は非常に賢くて飄々とした強い人なのだが、感情をいつも笑って隠すので、実はどれだけのダメージを受けているのか見えないので心配している。

  • ちょっと署名捺印しなければいけない書類が父より送ってきた。宛名が妹になっていた。胸が痛んだ。
  • 父の夢にのび太(仮名)が出てきたらしい。のび太(仮名)は昨年末に他界した我が家の愛犬で、妹の7歳の誕生日に、妹の息子という肩書とともにもにか家に仲間入りした。そののび太が、なんか丘の向こうにいつものように座っていて、ああのび太、ここにいたのかと思って頭をなでてやると、いつもみたいに尻尾をぽんぽん振って喜んだそうだ。のび太は横に箱を大事そうに守っていて、何かを待っているみたいだったらしい。○ちゃんを待っているのか、あの箱が○ちゃんだったのか、そんな夢を見たよ。とのこと。

 箱にコンパクトに収まった娘をリビングに飾って暮らしているのに、大丈夫も元気もあるのだろうか。家族間に優しい配慮が飛び交っている。しっかりと立場を認識し、建前を述べる。ああ我らは日本人の家族なのだなと思う。感情に流されたり、本音を言いだしたら生活していけないのだ。