鮎川信夫

mxoxnxixcxa2007-08-22


「さよなら、太陽も海も信ずるに足りない」
Mよ、地下に眠るMよ、
きみの胸の傷口は今でもまだ痛むか。
       死んだ男 / 鮎川信夫

 私は文学をきちんと勉強したことがないので、戦後詩の幕開け代表選手というくらいしか知らないし、この詩に関する解説は一応頭にメモっておいても、言葉って面白くて凄いなと思うのは、言葉そのものが書き手の意思を離れて読み手の心象に寄り添ってきて、一人歩きしてしまえるくらいに、たった1行でもどこか奥のほうの的を突いて揺さぶってくることもある。
 という、言いたいことが上手いこと言葉にできない私なんかは、頭の中に言葉が足りないのか、考え付くだけの脳みそが足りないのかのどっちか。

鮎川信夫全詩集―1946~1978 (1980年)

鮎川信夫全詩集―1946~1978 (1980年)