私に人生の娯楽を

mxoxnxixcxa2007-04-08

 美しい季節が到来し、全国から人が押し寄せる古都から脱出を、というわけでもないのですが、本日は神戸へよちよち出かけてまいりました。友人が年間チケットを購入しているよ、一緒にどうか。と誘ってくださったので、兵庫芸術文化センターは佐渡裕指揮するオール・チャイコフスキー・プログラムに。
 まずは苦楽園という、神戸の桜の名所という駅でランチを取って、川沿いに立ち並ぶ桜並木の下を、お花見の塊をぬってそぞろ歩いて夙川という駅へ。で、神戸女学院出身の彼女が是非に我が出身校の建築物を見せたい、桜も綺麗だろうというので、女学院へ。神戸女学院。その名は一応関東にも聞こえていたよ。お茶女に匹敵する感じのイメージだ。で、それから西宮北口、演奏会へ。
 曲目は、『幻想序曲《ロミオとジュリエット》』、『ロココ風の主題による変奏曲イ長調』、『交響曲第5番ホ長調』。そこまでクラシック通ではないので、『ロココ風〜』は未聴の曲。チェリストがアンコールに応え、バッハの無伴奏組曲を弾いてくれた。ああ、いいなぁチェロ・・・。しかしてやっぱり一番の聴き所は第5番だったわけで、もう本当に、最後の楽章のフィナーレにむかって上り詰めていく3分間ときたら。静かな興奮が五臓から沸きあがってきて身震いする感覚って、クラシックならではのエクスタシーだと思う。
 いいなぁ神戸は。京都にこれは望めないのだ。古都?今、春をどりがどうとかって。日舞は素敵よね。先斗町はそこにあってもだいぶ遠い感じがするけども。
 兵庫芸術文化センターのラインナップを眺めていたら、おお・・・『魔笛』。チケットは当たり前のように即完売。しょうがないので、同行の友人に夜の女王のアリアをジャイアン並の歌唱力で歌ってあげました。昨年は『椿姫』だったそうなので、乾杯の歌をlalalaだけで歌いかけましたところ、もういいよと止められ。で、さらにラインナップには、ウラジミール・マラーホフ。うわああああ、バレエ、みてえ!もうずっと観てないよ。マラホフ、みたいみたいみたいよまらほふプリンス・オブ・プリンシパル。他にも、オペラ『ヘンゼルとグレーテル』とか、バッハの『ヨハネ受難曲』やら、ジルベスター・ガラやら、バーニンガム・ロイヤルバレエやら、ドミニク・ヴィスやら盛り沢山。
 関西にも、東京でいうところのサントリーホールとか、オーチャードホールとかにあたるホールもあるんだろうな、でも関西ぜんぜんわかんないわ、だって古都住まいだし。とあきらめていた娯楽への気持ちがむくむくと頭をもたげる。そういえば、3月は南座で花形が何かやっていたはずなのに、行かなかった私が悪いのだなと、5月の玉三郎特別舞踊の公演予定を眺めながら臍を噛む。でも忙しかったじゃないともう一匹が慰めるも、寂しいなあ。なぜに玉サマは毎年南座で舞踊公演をするのだ。貴重な歌舞伎わくです。歌舞伎をかけてください。しょうがないので南座6月、声明に初挑戦します。
 今月都合がついたら、行こうかしら浪速花形歌舞伎。愛之助くらいしか見たい役者いないけども。しかし松竹座・・・なんば。遠いよね。だってここ古都だもの。あの、すみません。私福助見たいんですけど。来てください関西。
 そんなことをくさくさ考えながら、祇園のバス停でバスを待っていた折、外国の中年男性が、バスを20分も待ってるがもう来ないのか、と困った顔で話しかけてきた。いや、この黄色のサインを見ろ、バスもう来るってことだし、この赤いサインはもう終わりってことだよ。
 イギリス人のフォトグラファーという彼に名詞とDMを貰うも、自分の英語力のダメさ加減に悲しくなってしょんぼりする。ごめん、上手に英語が喋れないんだ・・・と言うと、いやいや大丈夫、上手に喋ってるよ、と、でかい手で肩を抱いて慰められると、さらに寂しくなった。京都にくるのは3度目だそうだ。この不思議な英吉利人に聞きたいことは山ほどあるの。何故に言いたいことが外国語になって出てこないのだ。例えば、「この写真はめっさ綺麗やねんけど、合成なん?」とか。しかしながら「合成」が出てこないの。composite photograph。むしろ、日本にきたら日本語をちょっとは話そうという気持ちくらいは見せてもいいんじゃないのか、と考えながら、おくとーばーに再来日するという彼のえきしびじょんにもしかして行くとしたら、それまでにああ、英会話を勉強しようと心に決めた、そんな日だった。英語でメール出すよ。ロバート、私がんばるよ。