NHK「ワーキングプア2」

 何て言えばいいんだろう。日本は一体どうなっていくのだろう。日本の経済発展を支えてきた高齢者たちが、年金で暮らせずに空き缶を拾っているのをみて、どんな感想を持てばいいのだ。繊維業界は破格の賃金で働く中国の労働力を買い叩いて、末端業者が悲鳴を上げている。日本の繊維業は明らかに先細りで、台頭する中国製のカーテンやインテリアファブリックは、格安でホームセンターで買える。ある名の通った業界トップクラスの企業が、インテリア部門を縮小したとかするとかという話を聞いたし、元そこで働いていた人が、その事態をひどく憂えていた。アパレルも、呉服の細かな技術さえも、コスト削減で中国に頼っていく。
 日本に明るい未来はあるか?社会形態の転換期にあるのかもしれないけれど、良い方向へ変化していくようには思えない。弱者が敗者の烙印を押されて切り捨てられていく。こんなことってあるんだろうか。働いても働いても貧困スパイラルに飲み込まれていく層の激増と、贅沢をせずにこつこつ働いてきた年寄りが、老後の日々を貧窮に喘いで暮らしている。日本は豊かで平等なんじゃなかったのか。この幻想は一体いつから植え付けられているんだろう。番組内で、京都市内に住むお年寄りが、あの指定ゴミ袋からアルミ缶を漁っている映像を見ていたら泣けてきた。
 こいずみかいかくって、なぁ。明るい老後が思い描けない。