関西3文化

 神戸に生まれ育った人間がみな口々に、「関西に住むなら神戸以外に出る気はない」という理由が、ほんのりと分かってきた。これは大阪人が大阪をこよなく愛するのと同じ。曰く、関西の3文化を言い表すときに、京都を“はひふへほ”とすると、大阪は“ばびぶべぼ”。神戸は“ぱぴぷぺぽ”だそう。なんだか心底納得したんだった。
 京都はやはり地方の、良く言えばしっとりとしたこじんまりした小さな街。田舎といえばそうかもしれません。大阪は巨大な都会で喧騒が溢れ、にぎやかで活気が溢れてきらびやか。で、神戸は洗練された感のある落ち着いた都会かなと思った。どれがいいとかではなくて、各文化圏に育てば、この3文化の中ではわが街が一番だと思うだろうなぁという感じ。まあ、わたしは生粋の京女が、「私、京都嫌いやねん。はよ出て行きたいわ」と言うのを聞きましたが。「おまえ、ほんとに早く帰れよ」と言いたい時に、にっこり微笑んで「また来てくださいねー」というのが礼儀という京都は非常に複雑なところなので、本人達もしんどい時があるのかもしれません。何故にそんなに嫌味たっぷりなのだ。京都は嫌いじゃないけれど、好きだけれども、ある部分が非常にややこしい文化だと思う。
 関東なんていうのは、千葉も埼玉も神奈川も、ひっくるめて関東文化圏というよりは、東京文化圏と呼んで支障ナシだと思うんだけれど、関西は違うのだと思う。別の神戸人が、京都の四条河原町明石焼きのお店を発見して腹が立ったという話をしていたときに、「ほんま、なにしとん?!」と憤っていた。
 私はまだ区別が出来ないでいるんですが、大阪語、京都語、神戸語は全くの別物で、各言語もまた地方地方で大きく言い回しが違うそうなんですが、大阪人だとこの場合、「ほんま、なにしてんねん」となり、京都だと「なにしてはんの」となるんだろうなと、おぼろげに分かってきました。兎にも角にも、神戸人にとっては、京都なんぞで明かし焼き屋を開かれるのは愚の骨頂というか、腹ただしいことこの上ないそうです。「ほんま、自分らたこ焼きでも売っとけよ」と、言ってはりました。
 で、不思議なことに奈良はことごとく無視されているのですね。なんでなん?