生活感たっぷりでお送りします乙女道

　乙女だもの、キュートに囲まれてスタイリッシュにファッショナブルに、シンプルにゴージャスにクールに、石鹸は薔薇の香りのする柔らかなものをコンランのソープディッシュに、キッチンタイマーはALESSIを、急須はHARIOのガラスのやつ（HARIO (ハリオ) 茶茶 急須 丸 450ml CHJMN-45T）、DURALEXのグラスと、キュートなカフェオレボウルを持ってなきゃダメ。素敵に囲まれて暮らしたい。出来るだけお部屋から生活感を消したいのだって乙女なんだもの。　
　でも主には一番どこから生活臭が漂ってくるかというと、それはもう、絶対にキッチン周りから。冷蔵庫とオーブンレンジは仕方ないとして、出来るだけシンプルな白いやつでも持っておけば、圧迫感が少しでも軽減するなという感じなんですけども、絶対に許せないのが2点。湯沸しポットと炊飯器。揃いも揃ってクソだせえ。こんなもん置きたくねえよう、乙女のキッチンスペースに。
　そういうわけでT-FALの瞬間湯沸しケトルのイケてる具合は、コンパクトでシンプルで、置いておいても目障りじゃない上に本当に湯沸しが瞬間なので、コーヒー一杯分なら数十秒さという有り難さ。ゆえにポットの問題はここで解決。しかして炊飯器はどうしてもダサい。その存在からして鈍重だ。なんというか軽やかさがない。できることなら乙女は、「え？ごはん？わたくし霞を食べて暮らしていますから」という顔だけはしておきたいわけで、炊飯器だけはやだ。
　で、すんごい長い前置きだったのですけども、そんなわけで私は土鍋を持っていて、女子一匹、米を炊くなんていうのは週に1回あるかなぁないかなぁというくらいなので、さしたる面倒も感じずに土鍋ちゃんと仲良く暮らしていたのに、見てください。ショックでこの状態を認められません。かるく泣きそうです。

　私が悪いんですけども。ころん、ごとっと音がして、ああ良かった欠けてないと思って気にせず今日久しぶりに米とか炊いてみたら、やけにじゅうじゅう言ってる。ああ夏だからかなとか、わからぬ理屈で納得していたら、どうしよう。これ、もう使えないんですか？土鍋のひびの直し方ってないのですか？これは私が人様からいただいたものなのです。大事にしてたのに。愛してたのに。ずっとずっと一緒だと思っていたのに。おうおうどうしよう。誰か助けてください。透明なセメダインとかはダメなんですかね。熱に強い接着剤ってないんでしょうか。
　もうやだ。こんな所帯じみたことを愚痴ってる自分もやだ。このさい所帯じみついでに、最近使い始めたこいつの便利さはもう異常だと言いたいです。水と茶葉入れて冷蔵庫に突っ込むだけ。