上賀茂にやっつけられ

 だから原毛を買い求めに、先日上賀茂神社の近くにあるというAVRILという糸屋の本店に行こうと、遠路はるばる赴いたのです。何を間違ったかちゃりで行った為に上賀茂付近に着くころには消耗しきっていて、7時に閉まるという30分前にうろつけど見つからず、地元と思われる京都人を捕まえました。
 言いたいのはここ。京都人て、地図が読めねーの?それともイケズされたの?というくらいに、京都人に道を訊いてはいけないのだった。地図を見せて、この辺に行きたく思っており、刺し当たっては今はどこに居るのかと尋ねてみると、おっさんは地図を眺め、「ああ、もっともっとカミの方やで、もっとずっと上がって行かなあかんな」と。
 北上すればするほど風景は田園になり、さすがにどうなのかと思った頃、犬と歩くおばちゃんを捕まえて地図を見せ、ここに行きたいが、今はどの辺かと尋ねるも、「あんた、ここはカミすぎるわ」と。
 そうしてがんがん南下し、おっさんに道を訊いた場所も過ぎて南下し、料理屋の裏口に居た板前さんに尋ねた。板さんは奥からおねいさんを呼んできて、おねいさんは「ほな、ここをちょっと右に行ったら、たぶん看板出てるわ」と。ちょっと行っても結構行っても看板は見えないと思って上がったり下がったりしている内に、7時を過ぎてタイムオーバー。
イケズの構造 上賀茂。もう二度と行かねー!京都人に道を訊いても、みな一様にアバウトな答え。非常に感覚的。そういえば、この京都バイブルに書いてあった気がする。ふらふらになりながら帰り着けば、腿が痛い。トータル何時間ちゃりこいでんだよと、倒れこんで脳内小人と一緒に泣きながら笑いました。京都に来るまで、ちゃりなんてほとんど乗らなかった。足が筋肉質になりそうだ。後日、四条のちょっと南にある“金の羊”で買い求めました。最初からそこへ行けばよかった。