エドウィン・マートンと暗い日曜日とハンガリアン

mxoxnxixcxa2006-03-14

 先のオリンピックでは、一人早送り選手・プルシェンコのスケートの神が憑依したようなエキシビションにやられたのと同時に、まあなんと氷上でストラディバリという、正気?!と気が遠くなるようなことをやってのけたヴァイオリニトが気になっていたので、あれこれ視聴を。
 エドウィンマートンというハンガリアンで、Bondとかマキシムと同種のクロスオーバー系の演奏家らしく、耳慣れたクラシック曲やその他をデジタルサウンドと生楽器でアレンジしていて、この手のものは、あ、いいなと思っても3度聴いて飽きるので正直あまり好きではないんだけれど、ヴァイオリンの音がクソかっこいいです。
Strings N Beats それで、特にこっちがハートを打ち抜きました。「魔王」に始まって「チャルダッシュ」とか「愛の妙薬」とかが思いっきりアレンジされ、結構おもしろい。うーん?というのもありつつ、もう「Gloomy Sunday」これ。これがもう、もう、クソかっこいい。ラストの「Art on Ice」もクソかっこいい欲しい欲しい欲しいの!ときにこのマートンは、デジタルアレンジ抜きのスタンダードな演奏はしていないんでしょうか。そっちのほうが聴いてみたい。「ハンガリー舞曲第5番」とか、すごく似合いそうなのに。
暗い日曜日 [DVD] そうして、この「Gloomy Sunday/暗い日曜日」は、1933年にハンガリーで発売されたシャンソンで、当時この曲を聴きながら自殺する人が続出し発禁になったらしく、そのエピソードをヒントにした映画もそこそこ面白かったです。ハンガリーはだいたい歴史からして暗いので、そういうメランコリックな嗜好の土壌があるんですかね。
 また映画「ハンガリアン [DVD]」。これはすごく良くて、とにかく良くて良くて、人生の些細な喜びや楽しさや儚さや空しさを淡々と描いていて、歴史に翻弄されるハンガリアンの悲しさが滲んで、観終わった後に胸に何かが詰まる思い。
 それでこの歌のほうは結構いろいろな人が歌っているみたいで、諸外国の面々に加えて美輪明宏やその他をいくつか聴いても、綺麗な曲だなと思ってもあまり死にたい気持ちが煮えたぎることはないなぁと思っていた折、わかった。こいつを聴いてください。ここここわ! ここをクリック