この穴に落ちれば負フィルターが

mxoxnxixcxa2006-02-05

 目の前のことだけ黙々とやっつけていればいいものを、何の意味がと立ち止まり、この人こう言ってくれるけれど本音は違うのじゃないかしら。はは、この滑稽なルーザーが。とか思われているに違いないとあらゆるものを疑ってかかり、何となれば私に明るい未来はあるのかしら無いに決まってるとネガティブ域は広がってゆく。
 そうしてだんだん、どうせならもっとでっかいことを悩んだほうが気が楽なような心持になるのか、憂国の士と化し日本の将来は先細りに違いないと気を揉んでしまう。地球環境は猛烈な勢いて悪化しているのにおお人間は強欲だ、と壮大なレベルまで悩みは広がってゆく。なんだ単にどうしようもない微細な己の悩みにがんじがらめになるよりは、もっと悩みをでかく曖昧なものにしてしまえば、目前の生々しさから逃避できるってだけのこと。大日本国の将来よりも、自分の5年後でしょうがと頭の中で声は響く。
 後頭部あたりにいつも浮かんでいる誰にも見えぬ妖精が脳内めがけて疑問を投げかけてくる。ねえねえお前って意味有るの?へいユー何やってんの?みたいな。
 ああ早く老女になりたいゴージャスな老乙女に。歌って踊って陽気に死を待つのだわ。と思ったらある老人の放った、「こんなに長生きをするなんて、何かの罰なのではないか」と恐ろしくも寂しい哲学的な言葉が頭を離れず、ますますます穴にはまり込む。ああ人は何故生まれてくるのかしら。最終的には、ああ生まれてきてごめんなさいなど傲慢な地点に落下傘で舞い降りる。あんた思春期ですかと脳内に住んでいる小人がつっこむ。
 そもそも人に褒められたい、他人の評価を通じて自己確認したい傾向をもつ薄弱な女子。誰がなんと言おうと自分はこれを提示するのだオレサマが一番文句言う奴が馬鹿アタシは神に特別に愛されている分からぬ奴は阿呆このひょっとこめ!というような押しの強さがないために、一寸の何かで自信が砕けると、ずるずると存在を全否定されたような気がしてしょんぼりしてしまう。やだ。やだやだ。考えども意味がなく、ここから脱出するには天才になるしかなく、しかし私は天才ではないんだった。
 頭ばかりで行動が付いてこない愚痴をもなかにぶちまけても、どもならぬ。理由付けして逃避してんだろ?という言葉が浮かんで消えるよ。何かでろでろしたものがあって、そいつをげぼおと吐き出してしまえばきっとすっきりして世界が薔薇色になる。ような気がする。でもきっとのどに詰まった物だってただの幻かも。デザインがかけない。別に描かなくたって誰も困らない。私は結局ラクな方へ流れて、ぼんやりテレビなんかを眺めてしまうのだこの薄弱者。
 どうして何者かに成らなきゃいけないと思ってしまうのだ。自己実現なんてクソ。そこまでして確かめたい己なんて実は幻。日々に埋没して何となく月日だけが流れてゆくので焦りだしただけよねって声がします。こんな些細なことに悩むくらいなら、世界の異常気象について考えていたほうがラク
 読んでいてむかつくような愚痴を垂れつつ実生活では笑顔で突っ走ってゆきます。多分こんなことに惑うのは、貧乏でお金がないために将来設計もろくすっぽ立たないからだ。勝ち犬じゃないし勝ち組にもなれない貧乏で集まって傷を舐め合いたいの。大丈夫よどうとでもなるわ、日本て豊かな福祉の国だもの。生ぬるく空想的なことを言い合いたいんだ遠い目をして。