高島野十郎

　これには是非に行くべきだと言われていたので、もろもろの雑事とあわせて福岡県立美術館へ郄島野十郎を観に行った。
　この人は今後評価が高まっていくだろうといわれている孤高の油彩画家で、細密画出身という描写力もさることながら、ゴッホに強い影響を受けたという片鱗がもろに感じられる筆致も随所に。背景と溶け合うようなひまわりとか、ゴッホの風景画に見られるようなうねる木々とか、自画像とか。でもゴッホのコピーでは決してなかった。静物画も精密でありながらいびつな造形になっていたりして、自身の感性が静かに写し取られている。すごく良かった。
　それでこの人の代表的なシリーズはいくつかあって、月や太陽、蝋燭があるんだけれど、これがまたすごくいい。全員わざわざ行ったらいいですと思ったら、15日でファイナル。野十郎展は6月10日〜7月17日の会期で三鷹ギャラリーにやってくるので、行ったらいいです。