お正月は盛りだくさんだった

 正月は歌舞伎盛り沢山で、高麗屋親子の連獅子をはじめてみました。菊五郎が好きなので『京人形』はとくに楽しかったです。
 それと、BS2でやっていた鶴屋南北ものの150年ぶりのリメイク『通し狂言 曽我梅菊念力弦』は放送は飛び飛びながら面白かった。菊五郎大好き。帯をシュルシュル引っ張る父・菊五郎。あれぇと弱々しく可憐にくるくる回る息子・菊之助。やめてください、ああ…みたいな顔で。そうして、最後は自分から脱ぐ!みたいな。「あ、なんだ積極的」と隣で人が言うのがまさにその通りなので可笑しかった。そんなこんなで、『児雷也豪傑譚』ではいまひとつ菊五郎に喰われていた感じの菊之助が意外に良かったので、今月は国立が一番面白そうだなあと思った。行きたいなぁ。
 そうして今月の歌舞伎座。襲名自体はあまり興味が無いながら、なんといっても福助が福様が見所満載。政岡…江戸成駒で、福助で見たいな…そんなことを考えるから、じゅるぅが気になってしまうのだ。泣いているのだ、これは人間国宝の迫真の演技のはずなんだ!と思えばいいのに、じゅるぅは思考を遮断させる。
 その上、私は上方和事が心に染みるにはまだ若造なのかも知れず、ダメ男が遊女と恋をして、預かり物の金をどうにかしてしまい、どうにもこうにもことが運ばなくなり、恋人同士もう手に手を取って、いっそあの世で添い遂げましょう…しくしくしくしく…。という展開に切なさをまだ感じることが出来ず、心中なんて建設的じゃないわと思ってしまう情感の無い人間なので困ったな。
 藤十郎の、徳兵衛はん! じゅるぅ、の、じゅるぅが気になって気になって、ああ…。あれは何だろう。泣き?よだれ?