コック様はデリケートですね

敬語でセックス」というのを見かけ、ああそういえば男子ってけっこう彼女との性生活を喋るみたいよ、アレってどうにかならないの?ということを、ふと思い出したのだった。
 昔知人の男子にものすごく愛くるしい彼女がいて、その女子は非常に大人しくて可愛らしくてミニチュアで清楚な感じだったんだけども、ある時酔っ払ったその男子の口から、彼女との「大阪弁プレイ」の話を聞き大笑いしたのちに、それ以後とても可愛らしいお人形のような彼女の顔を見るたびに「ええやろ」「やめてぇあかん」という、標準語圏の人間が無理やり知らぬ大阪弁を話すあの微妙なイントネーションの声が頭の中で聞こえてきてしまい、とてもじゃないけれど彼女の顔をまともに見られなくなってしまったのだ。「奥さん、奥さん」バージョンや、逮捕ごっこもやるよという話に心底感心したのだった。
 男女の付き合いが長くなると、普通の性交渉には飽きてくるのでしょうか。男子と幾人かお付き合いの経験はあっても、どれもまあもって1年だった私には良く分からない話です。私が今より若くてキュートだった頃、友人にわりかしイケてる男子がおり、またどうしてか付き合わないかという話になり、いやそんな気はあまりないなぁ、どうだろ、なぜに私が好きなん?と言いつつもなんでか付き合うこととなったのだった。
 しかし男子はデリケートですね。女子は適当にやり過ごすことが出来る交渉も、精神的なコンディションに左右され、考え込んでしまうほどに難しくなってゆくみたい。とっかえひっかえ彼女がいたはずの彼は、あらまあ数秒でどうにかなってしまい、こんなはずはないのだ、絶対におかしいと気に病んでいるうちにどんどんその時間が早くなり、さらに気に病んで穴にはまっていました。その深刻ぶりが相当可笑しかったですが、笑わずに我慢しました。そうかといって他の女子にそんなことをお喋りはしません。コック様はエラそうな割には神経質ですね。何にしてもプライベートな事柄をべらべら喋る男子は最低。そうそう忘れてた。もなかはアダルト禁止です。