『SAYURI』ああ…

mxoxnxixcxa2005-12-12

「日本が嫉妬する、JAPAN。」しねーよ!
 観ながら、なんだこれはCHAPANですか?JAINAですか?とかそういう強引でくだらないことを考えてしまうくらいに、無国籍ファンタジーと割り切って観ても中身がない。話自体が退屈なので、自然目が行くのは、面白ジャパンの風景ばかり。この無邪気なリスペクトを前にして日本人はどう反応すればいいのか、静かに考えることにした。
 確かこれは京都で撮影されたはず。一体どこのKyotoで撮ったのだろう。悲惨だ。そうして、そうして…この手のオリエンタル・ジャパンにいちいち突っ込むのは無粋。ほうら、エキゾチックだろ?東洋の神秘を煮詰めてミックスしてGO! 大事なのは、日本は遠い不思議の国であるっていうことなのだ。その国にどんな文化があるのか、その文化を育んだ日本とはどういう国なのか、そんなことはハンバーガー文化には関係ないし、何もエンターテイメントの全てにアカデミックな時代考証を求める必要はないのだ。
 まず、チャン・ツィイーはキュートだけれど、クールじゃないセクシーじゃないゴージャスじゃない。この3大欠点は、絢爛豪華な空っぽ映画を観に行かぬ十分な理由になるので、これだけは言いたいの。出来るなら独りでも多くの日本人が『SAYURI』に足を運びませんように。
 この映画のやりたかったことは、なんとなぁく不思議な国ジャパンのゲイシャ・シンデレラ・ストーリー。その不思議ワールドにガイジンが心地よく酔えるなら問題ないんだろうけども、話自体が何もないのだ。観なきゃわかんないと庇護してバカだった。観ないでこき下ろしても、ぜんぜん問題じゃないよ。観終わった感想は、いい日えらんで目ぇ噛んで死ね。
 だめだめこんなんじゃ可愛くない。そう反省して、どんなクソ映画にだっていいところはあるのだと考え直した。この映画の場合は、綺麗な色とりどりの画面の眩しさ。鮮やかで煌めいて、まるで日本じゃないみたい。むしろ現実じゃないみたい。あとは役所広司くらい。観に行っていない人は、以下の評を心から信じていいと思う。
I never felt an emotional attachment to any of the characters. "Memoirs of a Geisha" is a big, bright package with little inside.   CNN
SAYURI公式  予告編