日本酒に出会う

　この飲み物は、熟年の人しか呑まぬものだと信じ込んでいた。騙されたと思って口をつけて驚いた。美味しい。美味しすぎる。ちょっと飲み込んでから、ほぅ、とか息をついた後に口の中に広がるこの甘くて柔らかな香りは、なに？隣の人に尋ねると「そうそう」と返答にならぬことを言われ。そんなこんなで私は気分よくキーボードを叩きまくります。
　日本酒最高。なんか20ccも入るか入らぬかくらいの、小さな湯飲みみたいなものも愛くるしく、「おちょこ」なんていう名称もまた可愛らしい。臭いと思っていたけどワインみたいにのみやすい。焼酎は美味しいよお湯割なんか全然悪酔いしないよと近くの人に言われるが、私はお酒は好きでもワインなら3杯が限度、ビールなら中瓶1本が上限という人。以前はもう少しいけたが、今となってはワイン3杯で人生を薔薇色にするくらい楽しくなれる。
　酒が好きならもっと呑みゃいいじゃんといわれても、里谷多英みたいな野獣じみたことは人間としてやりたくない、などという理性の問題ではない。限度を越えると激しい動悸と眩暈、吐き気に襲われ、こんなことなら呑まんければよかった。ああ苦しいもう死ぬと思う。こんなに気持ち悪いなら生まれてこなければよかったくらいに辛い目にあってしまう。強くなりたい。