京鹿子娘道成寺 石切梶原

 昨夜、NHKエデュケーションP.M.10:00〜を存分に楽しんだ。まずは玉三郎京鹿子娘道成寺。玉サマの得意演目というだけあって見ごたえは十分。有名な舞踊だけに色々な人が踊るたびに、私のような若造でも「ほほう。この人はこのような花子ちゃんを」、などと面白がることが出来る。聴いていて非常にわくわくする。花子ちゃんがそれに合わせて足を「とん」などとし、恋の手習いでは色気全開で愚痴を垂れ、次々衣装を剥がしながら鈴太鼓などをとことこするのを堪能していると、あっという間に蛇になって終わってしまう。
 合間の所化のしょうもない駄洒落もまたいい。坊主が並んで気絶している様などは、いけないいけないと思いつつ、くすっとくる。私の知っている人達は、6代目歌右衛門の伝説の道成寺が、いかに凄まじかったかなどと口々に言う。鐘を睨む目。最後の見得。あれは根性が真性意地悪でなければ出来ぬだろう、などといわれると、映像でいいから見たい。見たいよ。