このひとに

mxoxnxixcxa2005-02-01

 山田孝之に困っています。そもそもの始まりはドラマセカチューでした。こいつは曲者でした。
 セカチューブームを非常に冷めた目で見ていました。なんか、映画のコマーシャルもあざとかった。「助けてください!助けてください!」で、それを見ながら感動している自分に自己陶酔しているかのごとく涙を流すレディー達のアップ。
 これはあれだ、この手にありがちな、感動のシチュエーションに酔わせるタイプの映画なんだ。と引いてしまったへそ曲がりな私なんかはどうも、話の筋も手垢がついたというか、ありがちな王道モノというか、「ある愛の詩」。「詩」と書いて「うた」。まさに不朽の恋愛映画。どうせその辺のパクリなんでしょ寒くて凍えそうだ全然触手が伸びやしないんだ。そして快進撃を続ける原作。本屋でちらっと斜め読みしてみると、これがまた超ライト級。その頃はむしろ、セカチュウとそのブームを心底軽蔑していた。あの頃私は確かに純愛を侮っていた。
 しかしある日、「今夜スタート!ドラマ版セカチュウ」。今 度 は ド ラ マ か い。
 それほど世間をひきつけて止まないセカチュウ。日本中を感動の渦に引き入れ、涙の雨を降らせるセカチュウ。いったいセカチュウの何が人々をそうさせるのか。そのシステムと根拠をこの目で見届けたい。私だって本当は感動に狂いたいのだ。嗚咽とか多分10年以上やったことがない。
ウォーターボーイズ DVD-BOX そのような流れに乗ってドラマを見始めたのですが、気になる主演の山田孝之。高校生なのに、妙にもっさりして老成している。他には何に出てるんだろうと思って知ったのがドラマ版「ウォーターボーイズ」。この暗めのもっさりがどんなシンクロナイズドスイミングをするのか気になって一気に見てみたら。
 なななにこれこのウォーターボーイ、誰? しかもドラマも面白かった。
涙石の恋 ジェニファ [DVD]「ジェニファ」とかいう映画にも主演していると知り、レンタル屋をはしごする。内容はもうどうしようもなく破綻していました。密やかな山田熱が上がるとともに、ドラマセカチュウも架橋に。ドラマなんて毎週見るのが面倒なくせに一週間が待ちきれないよ!ティッシュ片手に「サク、そんなガキにひっかからないで」「だめ!アキ死んじゃやだやだ」とセカチュウに振り回される始末。
 そんなセカチュウも終わり、すぐに冷めるだろうと高をくくっていた山田熱はいまだ覚めやらず。どうすりゃいいのだ山田。H2を鑑賞すれども正直もうついてゆかれない。ゆきたくない。さむいようでも見てしまうこの矛盾。一番困るのは山田孝之にはまってる事態にまだ適応できていないことっぽい。
 だって正直実生活で口に出来やしないんだ。「ドナルド・サザーランドはもうどうしようもなくセクシーだ」とか、「女形のこしらえのままの福助様に口説かれてみたい」とか口走っても、私の本気を周りは半ば冗談としてとらえ、慈愛のこもった目で受け流してくれますが。「山田孝之にはまってる。というより、むしろ好きなのかも」というこの発言は何かナマっぽいです。無駄に生々しいので口が裂けてもいえやしないんだ。故にここでこんな風に「山田と私」についてだらだら語る始末。
 H2を見続ければ、あの寒さとともに冷えるのだろうか。だいたいこんなことしてる場合じゃないのに、山田孝之がわたしの邪魔をするのです。