Joel-Peter Witkin

WitkinJoel-Peter Witkin: Disciple and Master クソ長い前置きをしたのは、このアーティストはどうですか、と少なくとも私の周囲の人には微妙すぎて尋ねるのも気が引けるので、返事を期待するでもなく訊いてみたかったからなんだった。存分に、もう十二分にこの人のも、作家性のある造形作品ではあるんですけれども。
 ジョエル・ピーター・ヴィトキンという、なんというかタブーのレベルがマックスを大きく超えて振り切ってしまい、私はもう、このおっさんは確実に地獄に行くんじゃねえの?と真剣に考えてしまいます。凡人ですね。凡人でけっこうなの。
 ヴィトキンは平たく言えば、死体、奇形児、小人症、両性具有、四肢欠損、その他あらゆる生理的逸脱をしているヒトや元ヒトを単なる物体としてこよなく愛していて、たぶんすごくカワイイと思っていて、それらを玩具にいじくりたおして写真やVTRに収めている人物です。
“醜い”ものこそ美しいものである」という彼の信条は作品への姿勢や作品自体にも表れていて、確かに対象への愛があるので美しくもあるし、侮蔑の視線や茶化すようなイヤラしさもないのは事実。ですが、いかんせん私はここのラインは踏み越てはならぬ境界線の向こう側。だって首に果物を飾るって…作品集は、絶対に買わない。手元に置かない。
以下のリンクは自己責任で覗いてください。綺麗は綺麗ですが、死体は死体なので。