女子は同性愛的傾向がある、ってまじですか?

 女性は男性に比べて、同性愛的傾向が高いといわれるそうです。同性に魅了される割合が27倍ということ。すごいなぁ本当に?これは、要するにバイセクシュアルが結構潜んでいるとのことらしいです。

 例えばヘテロに恋をした非ヘテロの恋が成就したという話。というのをあまり聞かないのは、私の世界が狭すぎるというだけのことかもしれないですけども、ありそうな話かといえば、なさそうな話。ノンケに本気の恋をする=実らぬ恋、みたいな。切ない恋、みたいな。報われぬ恋、みたいな。募る思いを打ち明ければ、友情までも失うのがオチなのかもしれません。失わなくとも、一定の距離が生まれるのだろう。

 同性に魅力を感じるというのは、一体どこからなのかしらと私は思いました。例えばエビちゃん、私なんかはエビちゃん?という派なので、エビちゃんのフルネームさえ知りませんが、世間一般では「エビちゃん大好き!もう、何もかも好き!」とか、そういう「好き」は溢れ返っているけれども、これは魅力を感じていても、エビちゃんとキスしたい恋に落ちたいそうしてその先まで進展したい!といったたぐいの欲望を伴った「好き」ではなく、憧れからくる「好き」。
 これが一転、男子の場合、誰だろう「オダギリジョー大好き!もう何もかも好きだぜ!」という感じのことはあまり想像できないし、事実一般的な発想ではなさそうだ。これを考えれば、男子よりも女子のほうが同性に魅力を感じるのが27倍なんだろうけども、やっぱり同性愛的傾向とは違うような気がする。

レズ、キモー」という言葉を何度か耳にしたことがある。「やだ、ありえない」というのも。これを差別とは思わないし、生理的嫌悪というのは致し方ないのだ。女子のほうが同性に対する憧れを素直に抱きやすいのかもしれないとか、躊躇なく口に出来るのかもしれないけれど、それが同性愛的傾向としてくくられるとすれば、あまりにも女子の生理を単純化しすぎだと思う。
 然るにそんなに女子が同性愛に近い生き物なら、女子の人生は倍は楽しいはず。しかし現実はどうかというと、ノンケとレズビアンバイセクシャルとの三者の間には歴然とした溝があるのだろうと思う。たぶんきっと。
 ノンケがセクシュアルマイノリティに対してにたまに口にする、あの、男子なら「女同士なら、なんか綺麗だし素晴らしい。ああ、とてもエロティックだ」。女子も、「レズはいやだけど、ゲイなら許せる」。みたいな。もっといくと、「男同士の禁断の恋って、なんだか切なさ倍増で、より絆が深そう」という幻想。これがやおいなのだろう。
 先日ある方のブログで、選択的レズビアンに出会ったことがあまりないというエントリーがあって、やはりなと思った。選択的レズビアンが可能なら、生粋のレズビアンが選択的にヘテロセクシュアルにだってなれるはず。選択的に誰かを好きになれるなら、世の中に叶わぬ恋なんてなくなって、選択的に叶いそうな相手を好きになって恋すれば、世のすべての恋は成就し、悲恋なんて言葉はない。でもでも、恋ってするんじゃない、落ちるんだぜ!