アンチヴィトン倶楽部

 私は日本における「とりあえずヴィトン・モノグラム」というこの腐った姿勢を糾弾しよう会の脳内メンバーなので、谷亮子のブランド好きも冷笑を持って眺めてしまう。闇雲にのべつくまなく高級ブランドで武装する女子はイケスカない。これは貧乏な自分を正当化して、一寸でも惨めさから救われたいなどいう抵抗ではなくて、あのモノグラムのバッグの野暮なことといったら。
 どんなにオシャレな女子でも、あの自己主張する茶色くて重たいカバンを持っている時点で台無し。涼しげな服装で歩いていようとも、あの茶色で台無し。丈夫ってこと以外に何が良いのだ。
 お金持ちなら、買えるもの何を持っても何を着ても良いじゃんというのも分かるのだけれど、全身ブランド女子なんかはお洒落じゃなくって野暮。私は己の貧乏に誇りを持って叫びたいの。モノグラムはダサい。見るからに安けない服を着てモノグラムを持つ女子の貧乏臭さは痛ましい。
 そんな私なので、過去シャネルスーツのダルマちゃんを見たときに怒りを覚えた。あれは40代50代の素敵にシェイプアップしたお姐さまがその貫禄とともに着こなしてこそかっこいいの!ああ、だめだよそんなこと言って!容姿なんて関係ないんだから!いいじゃんタワラちゃんはお金持ちなんだから僻むのはおよしなさいよと小人が囁くけれども、これは絶対に僻みじゃないんだ。