坂本龍一とデヴィッド・シルビアン

 80年代はとにかく楽しそう。私の思春期はすでに社会全体が不景気に喘いでおり、明日も見えず国の将来も暗い。中国は台頭してくる。景気回復の見込みはない。貧富の差は広がる。もうもう、大日本国は最高に暗かった。
 バブルに浮かれて騒ぎ倒し、ジャパンの行く末はどんどん上り調子に違いないよと妄信していた時代はそりゃもう楽しかったろう。ニート第一世代を生んで不良債権を作りまくって羽扇子持って踊ってりゃ世話はなかろう。心配事なんて何もない。いいないいさお気楽でGO。
Oil on CanvasBrilliant Tree (Rmst) (Dlx)Tin Drum [LIMITED EDITION] [ORIGINAL RECORDING REMASTERED]Secrets of the Beehive (Dlx)WORLD CITIZEN禁じられた色彩UC YMO [Ultimate Collection of Yellow Magic Orchestra] (通常盤) そんなこんなでYMOのダサかっこよさもだんだん分かってきた。教授を間口にデヴィッド・シルビアンに出会えた。教授と組んでの『forbidden colours』戦場のメリークリスマスの歌つきバージョンを聞いたのがきっかけだったけれども、シルビアンには別ルートでも辿り着いた良き日の思い出。傑作『Secrets of the Beehive』はもう一生聴くと思う年に何度か。私はこのアルバムの旧バージョン・戦メリ入りを持っていて、思い出したときに聴いては脳内にα派を大量放出してのんびりする。
CHASMラスト・エンペラー オリジナル・サウンドトラックCoda坂本龍一・80年代の映像作品集 [DVD] 教授の映画音楽といえば戦メリというイメージもあるけれども『ラストエンペラー』がかなり好きで、小学生時分この映画を見てものすごく泣いた覚えがある。大人になって観てみると泣くような映画ではぜんぜんないのに、何故かと考えて分かった。音楽が良すぎる。切なくて物悲しいメロディーがもう。チェンミンが弾く二胡バージョンを聞いたときも泣いた。
 そんな教授の気になるお仕事は、柳楽優弥の正念場『星になった少年』。この夏少しく注目の映画。うそとくにしてない。でも柳楽優弥がどこまでやるのかちょっと興味がある。