ああ京都人

 一日京都へ。午前中に所用を済ませ、午後は自由に。「コーヒー飲まはります?」と聞かれたら即座に「あ、お構いなく」と答えようもう恐い思いはしたくないと決心していた。この経験から(id:mxoxnxixcxa:20050221)。
 しかし今回は、アポイントの通りに着くなり「ほな、早速ご用件伺いますわ」と話は早く、しかも「うちは機料だけやのうて、もう全部やってまんのや。何でも聞いとくなはれ。こんなんもこんなんもできまっせ。こんなんもこんなんも有りますわ」と、とても心強い。安いのか高いのか妥当なのか分からぬままに目的のものを手に入れ、あれやこれや「まあ持っていきや」とおまけまで頂いた。今後ともお世話になってもいいでしょうか宜しくたのんますと頭を下げ、紫野を後にした。そしてぶらっと大徳寺へ。
 ここを紹介してくださり、色々と本当に優しくしてくださった2月の問屋様には、次の日に事後報告として電話。お礼の言葉を言付けさせていただいた。「京都来た時は、まあ寄って下さいね」という言葉は、京都人特有の礼儀に違いなく。しかしながら京都のくるんだくるんだもの言いは、やはり恐い。掴めない。
 京都人を訪問するおりの礼儀を聞いたが、「ちょっとそこまで来たものですから」 「まあまあ、上がっておくんなはれや」 「いえいえ、お顔を見よと思っただけですわ。今度きちっと伺いますわ」。これは本当だろうか。京都に住まぬ私には「たまたま近くを通りかかっただけ」はない。どんなタイミングで挨拶をすればいいのか。主だった用事がなければ、何度京都へ出向こうと、とことん無視して挨拶せぬでよろしいのか。「いつでも遊びに寄って下さい」という言葉は究極の社交辞令であり、「はい喜んで」と答えてそのまま放置で正しいのだろうか。
 恐い京都恐い。無粋なお人にはなりたくないし、礼儀を知らぬ阿呆とも思われたくない。ああ恐いよ京都人。