『オータム・イン・ニューヨーク』

オータム・イン・ニューヨーク スペシャル・エディション [DVD] 余命あと一年のカワイイ女の子と、ハンサムで金持ちでプレイボーイのおっさんの恋物語。魅力的な彼女と過ごすうちに、おっさんは段々と本当の愛を知っていく珠玉のラブストーリー。主演リチャード・ギア。「愛した人は、不治の病だった…」
 この謳い文句を聞いただけで、内容のほぼ90%は読めた。自ら財布を開いて観ることはないと直感。レンタル代さえ惜しい。結構前にBS2で放送された際に録画していたのだが、それでもなかなか触手は伸びずに放置。もうやっつけよう。そう思ってやっと観た。一言で言ったら、なんじゃいこれは。
 一切の感情移入を許さぬ厳しい映画だった。そのすべてが有り得ない。これは映画。ラブロマンス。夢のお伽噺。そう思っても、リチャード・ギアのなまくらっぷりにはあきれ果てた。しょうもないにも程があるやんけおっさん。ウィノナ・ライダーも心臓に爆弾抱えてんのに、よう運動やら興奮やらしまんな。血圧上がってたまらんがな。と、妙な言葉遣いになってしまうほどやられた。
 でもでも、これもまた映画を観る醍醐味。興味ない番組をだらだらみるより、おおつまらんな。ああしょうもな。などと言いつつ、それでもこれは莫大な制作費を使い、映画を愛するみなが真剣に作ったものというのは分かる。つっこみながらも幾つか良いところを見つけたりして、やはり映画はいいなあと感じる。しかない。
 この映画の場合、見るべきは秋のNYの景色と、リチャード・ギアの娘役のベラ・ファミーガ?の複雑で寂しげなブルーアイ。のみ。小物やインテリアもいまいち。折鶴って。