胡散臭いで賞

 このように寒いタイトルをつけてみる。金曜日には、日本アカデミー賞というバラエティ番組を見た。この賞のいかがわしさについては、あえてつっこまない。ミニシアター系も入れろ!なんて野暮なことも当然言わない。『血と骨』と『笑の大学』くらいしか見てないのでなんとも言えないがしかし、番組のつくりのダサさとあざとさばかりが目に付く。
 受賞者にインタビューするアナウンサーのくだらなさといったら、そりゃもうくだらなかった。「どうですか」の連発に、きかれる方もみな引きまくりだよ。「どうって、さあどうなんでしょうか」と斬り返した森山未来。「いい加減な母親の役でしたが」に「そうですよ」と答えるYOU。
あのアナウンサーあほ?質問になっておへんがな。
 役所広司見たさに、BS2のあなたが選ぶベストPVと頑張ってローテーションしていた。そしてオダギリジョー、そないにきばらんでもよろしいような。あのエキセントリックっぷりは、たぶん、浅野忠信とか永瀬正敏とかああいうニュアンス系に憧れているのだろうか。かといって、不思議ちゃんになるのはどうなのか結構いい年っぽいのに。たぶん結構中身は普通の人なのだろう。
 主要部門が商業映画なのは当然それでいい。しかし脚本賞くらい、本当に数ある邦画の中から純粋に選んでもいいような。監督賞は是枝裕和じゃなかろうかと思ってみたい。本人いらんでしょうけれども。ぶれを生じさせずに主題を子供達に語らせ、ストーリーが収まり得たのは、ひとえに監督の手腕だったと思う。柳楽優弥の目が印象的なのは、そのような瞬間を美しく収めたから。結局、視終わってなんじゃいこれはと毎年同じことを思いながら、BS2でマイケル・ジャクソンの『スリラー』PVをフルで見ることが出来、満足して眠った。