つっぷりつっぷりっつの頑張り屋

 ぶりっこは同性に嫌われるけれども、本物のぶりっこは逆にえらいのじゃなかろうか。カワイイヤツと思い、応援したくなる。他人に対していい子ぶるぶりっこも、その対象を男女の枠を超えて極めれば、単なるいい子になるんじゃないかしら。
 その辺あややなんかは本物ではなかろうか。あややのフルネームが思い出せないもしかしたら知らないのかもしれない。
 あれは年賀状発売のニュースを見たときです。あややと元モーニング娘の双子のようなセットがシークレットで発売場所におり、しかしなにぶんシークレットなために、ファンは一人もおらず。おじいさん達はアイドルたちを完全にスルー。無視して年賀状をゲットして帰っていく。
 そんな寒すぎる場所で、双子ちゃんたちは完全に無表情。微妙にふてくされていた。しかしあややは違ったのだ。ものすごく悲しそうな顔でそれでも微笑。まさにプロ。完全に自我を押し殺すあややに、すっかり感心した。すごいプロ意識。
 あややは楽屋に戻っても、「ねーあたし、いちごポッキー食べたぁい」なんて煙草片手にいわなそうだ。で、せっかくスタッフが車に乗って30分もかけて探し回ってやっと買ってきたポッキーを見て、「えー、つぶつぶじゃないのー?最悪こんなのいらなーい。ポイ。」なんて絶対にいわないだろう。
 あややほどのプロフェッショナルならば、スタッフ相手にも完璧なあややを演じると思える。そしてママ相手に電話で愚痴るわけでもなく、「私、元気、平気」なんて天真爛漫に言ってみせて、一人でそっとリストカットとかしそうなくらい孤独で真面目ないい子っぷりのぶりっこに見える。