『母の発達』

くさくさすると、たまにこの小説を読む。笙野頼子の作品の中では特に好きで、母親を徹底して化け物に描きながら、その娘と言う立場に甘んじて、むしろ都合よく理由付けしてしがみついている娘の姿を切るとることも忘れていない。 最後の方に出てくるヤツノの…

「私は誰になっていくの?」

アルツハイマーについての書籍はそりゃもう数知れず。介護手記から、医学的見地の解説書、薬学アプローチ、専門文献等々。当事者から発せられる読み物は異色。壮絶な手記かと思っていたら、通読して感じるのは著者の明晰さ。本当に認知障害があるのかとさえ…