京都に住むには見て見ぬ知恵を

mxoxnxixcxa2006-10-12

 今月からゴミ袋が大した値段になりました。ゴミ袋を高くすれば、ゴミが減るとでも思っているんでしょうか。そういう古都在住の私の周りには、生粋の京都人よりもよそさんの方がやや多く、よそさんの口から「京都が好きになった」、「京都は住みやすい」、「ずっと住んでいたい」という言葉は、面白いくらいに1度も聞いたことが無いです。まだよそさんとして初心者の私が、ベテランよそさんの話を聞いている時。ベテランよそさんが京都を語るとき、揃いも揃ってみな開口一番、「京都ってねえ…」と苦笑する。もなかに書いたことがあるかは忘れましたが、京都は最低5代は住まなければ京都人認定を受けないそうで、で、ある知り合いの生粋の京女ちゃん(20代)が、隣でふと口を開いたんである。
なあ、もにかちゃん。京都好き?」 下手な返事はできないと思ったので、「古い町並みとか綺麗でいいよね。しっとりした雰囲気で…」と答えたんである。京女はさらに、「京都住んでどう思った?」と。えー?これ、本音トークしていいところ?相手は京都人よ?と思いつつ、「まあ、来る前は、ぶぶ漬け伝説程度の恐い話は何となく聞いてたけど、私の周りでは特にはなぁ」と応答。京女ちゃんは、「ふうん…」と言ったまま顔は上げずに、先を続けたんだった。
京都ってな、よそさんでいるうちはみんな優しいねん。観光客とかな、大学生とかな、でも住み着こうとしたら手のひら返すで」 唐突なこの発言の意図を測りかね、「へぇ…」くらいしか返答ができずにいると、「入ってこようとする人にえらい警戒すんねん。ほんまもう、わたし京都嫌いやねん。はよ出て行きたいわ」と。
 生粋の京女にこうまで言われる京都という地場って、一体全体、これでいいのでしょうか。閉鎖的というか誇り高いというか、いやはやなんともはや。よそさんである私にとっての京都とは、京女=気が強い京男=嫌味が上手。程度のことだけれど、例えば自転車ですいすい散策などしていると、えっ…というような、明らかに周囲から浮いている家並みの界隈に突然出会ったりもする。
 京都はよそさんで居続けた方がいいのだ。知らない方が良いことが、きっと多分とても沢山ある。三条の駅のトイレに入ると、関東育ちのよそさんはびっくりのポスターが貼ってある。光り輝く京都の影は、暗くて暗くて深くて深いんだった。