いじめがなくなるはずはなく

mxoxnxixcxa2005-11-23

 なんか10代のいじめって、そこそこ勉強とかができて、集団の中でそれなりの立ち居地を確保できている男子とかが、女子に点数をつけたり特定の子を嘲笑したり、笑いをとるためだけに個人攻撃をして辱めたり。
 女子の間でも、所属を区別して異物を遠ざけるなんていうのは日常的だった。そうでもしないとみな自分の立ち居地が確認できなかったのかもしれない。私は暗くない。ダサくない。イケテるんだ大丈夫。あの笑い声が自分に向けられたものじゃないと安心したい。誰でも同性との関係にすりへり、異性の目に過敏になるお年頃。目が合って、ぷっと笑われたりしたら、相当きついのは男女ともに同じ。まして女子は表と裏があったりするので、疑心暗鬼にもなるよね。
 中学の頃、男子優等生グループがクラスで道化を演じていた男子を何かのゲームで全裸にして、廊下を走らせたりした。みんな見てみぬフリ。Aくんはそういうひどいことが度重なって卒業まで頭の回路が持たず、授業中に自分の家庭教師の名前を叫んで教壇の上でダンスをして廊下を叫んで走って、学校に来なくなった。思い出しても、凄く苦い。いじめていた優等生男子は順風満帆な人生。ぽきっと折れてりゃいいのにと思うけど、弱肉強食なんだなあと思うしかない。
 高校の頃、クラスの暗くて大人しい女子が登校拒否になり、担任の努力の末なんとか学校に出てきた日に、目立つグループの男子の一人が「○○さぁん!カワイイ結婚してー!」と叫んで手を振ったら、その子は赤くなって微妙な顔で微笑んでうつむいた。たぶん彼女は何となく微笑むしか対処法がなかったのだ。男子一同は大ウケ。「うわぁ、嬉しそうだよー!」。彼女の高校生活はそれっきりになった。笑いの標的にされるって不幸だと思うしかない。
 プライドが傷ついて自己肯定できなくなり、劣等感を跳ね除ける何かを見つけ出せないと、逃避先が必要になる。映画や小説であったり、二次元萌えワールドだったり。もしくは煮詰まったマイワールドだったり。タリウムちゃんも嘲笑タイプのいじめを受けていたみたい。タリちゃんは毒物で絶対的な力を手にすることで活路を見出し、ひ弱な自分から脱皮したんだろうか。そのパワーをいじめっ子に対してぶつけたわけでもないので、いじめ経験より逃げ込んでいった先の閉塞した空想世界のほうが興味あるんだけども。もっとタリちゃんの情緒面について知りたいのに、保護されまくりで無理。
 いじめられ、孤独を感じ、自分を愛せず、他者への愛着も持てなくなり、追い詰められて煮詰まってキレてしまう。「いじめられるほうが悪い」という理屈には共感しないし、いじめ自体は絶対に肯定されるべきじゃないと考えた上で、それでも周囲の空気を読まないでいると、排除されるのは避けられないし、しょうがない気もする。みんながみんな好きでグループ化しているわけじゃない。いじめは何で起こるのか、どうしてなくならないのかなんて正直手に余って分からないけれど、絶対になくならないと思う。しょうがないのだ。他者を攻撃すれば、お手軽に自己の優位性を感じられるし、自分より弱いものを見つければ安心できる。残念だけど、なくなりっこない。
 成人してしまえばもっと陰湿で作為的ないじめが転がっていたりする。成人女子をいじめに駆り立てるのはこれはもう明確にジェラシーが根底にあるねとねとした感情で、一様に陰湿で、ささやかなものから排除に向かって徹底しているものまで様々。まあそういう女子こそ僻みっぽくて不細工でじっとりしたつまんない女なんだけども。でも嫉妬は時に凄まじい攻撃を生み、攻撃対象を針のむしろに追いやったりもする。女子の嫉妬からくるいじめは相当なものだろう。
 職場とかで、可愛い女子が意地悪されていたら男子はぜひ助けてあげて欲しいです。いじめ女子は根性が顔に出ていて大抵モテませんし、そんな自分にくさくさしてる。だからいじめられていそうな女子には「勘違いだったらごめんね。最近様子がおかしいけど、何かあったの?」なんてさりげなく。じとっとした目をしていなければ確実に王子様に見える。でもこういういじわるは決して男子の目に届かないし、気づかれることはないのだ。
 重ねて成人男子のいじめの話を聞いたときには、心底恐いなと思った。女子の嫉妬が感情に任せたものだとすると、男子の嫉妬は相手を引き摺り下ろすような作為的なものに作用して、たぶん、絶対、エリート男子間の嫉妬が一番恐ろしい。そんなことを考えた一日だった。